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 議員定数削減案を大津市議会に提案している目片信市長は8日、市議会の質疑で「(市議の)年俸は1000万円」「実働は50日未満で、1日20万円」などと発言。

 「事実と異なる」と問題視した議会側が反発したため、目片市長は「不適切だった」と発言を撤回し、謝罪する結果となった。

 同案について質問した塚本正弘議員(共産)に答える中で述べた。

 発言後、議会側は休憩中に議会運営委員会を開催。「市議の年間報酬(約940万円)と異なり、議会の日程以外でも地元で活動している」などの意見が相次ぎ、目片市長が同委員会に出向いて謝罪。再開された本会議で発言を撤回した。

 目片市長は5月にも、定数削減に関し「雨後の竹の子みたいに出る(立候補する)ことが止まる」「コイの洗いと同じ。冷たい水に入れて(議員を)引き締める」などと発言し、その後に撤回している。

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by onzicllnpe | 2010-06-11 21:16
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題を巡り、鳩山由紀夫首相が25日、月末にまとめる政府対処方針を閣議で決める意向を明らかにし、連立与党内の緊張が高まっている。「5月末決着」の体裁にこだわる首相に対し、社民党は「閣議決定や閣議了解のサインはしない」(福島瑞穂党首)と拒否する姿勢。民主党は参院選での与党協力を優先して決着先送りへの動きを強め、3者の綱引きが激しくなっている。

 首相は具体的な決定方法には言及しなかったが、閣議決定や閣議了解には閣僚の署名が必要。政府は社民党に配慮し、署名が必要ない首相発言での決定も模索した。しかし、福島氏は25日、沖縄県名護市内での記者会見で「閣議決定、閣議了解ではなく、首相の談話にも反対していく」と真っ向から対立した。与党内のあつれきにもかかわらず首相が「月末決着」の演出に腐心するのは、閣議による意思決定で沖縄の負担軽減に向けた姿勢をアピールするためだ。

 ただ、首相官邸と社民党の対立に民主党はいら立ちを募らせている。民主党の輿石東参院議員会長は25日、国会内で社民党の又市征治副党首らと会談。又市氏は、政府が28日にも予定している日米共同声明について「発表を思いとどまるべきだ」と要請した。

 社民党は参院選を前に連立離脱の事態を避けたいのが本音だ。又市氏は「選挙協力も何もあったものではない。時間をかけて、月末決着にこだわるべきではない」と主張した。焦点の1人区の多くで民主党候補の支援に回る社民党として選挙協力を引き合いにした露骨な揺さぶりだった。

 民主党の山岡賢次国対委員長は25日、与党3党で普天間移設についての「覚書」をまとめることを社民、国民新両党に提案。しかし、小沢一郎幹事長が「政府に任せるべきだ」と指示し、社民党との交渉を政府側に委ねた。【高山祐、西田進一郎】

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by onzicllnpe | 2010-06-01 22:59
 26日午前9時40分ごろ、大阪(伊丹)発宮崎行きの日本エアコミューター2433便(ボンバルディアDHC―8―402型機)が兵庫県淡路市付近を飛行中、自動操縦装置が作動しなくなったため、大阪空港に引き返した。乗員乗客76人にけがはなかった。
 この機体は24日にも新潟に向かう途中に気象レーダーが故障し、大阪空港に引き返した。 

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by onzicllnpe | 2010-05-26 19:23
 大阪府の橋下徹知事が立ち上げた地域政党の参戦で、異例の注目選挙となった大阪市議補選(福島区選挙区)には14日、5人の新人が立候補、欠員の1議席をかけた舌戦がスタートした。立候補の手続きを終えた各陣営は早速第一声。知事が掲げる「大阪都」構想を受け、各陣営もそれぞれの立場から自らの政策や大阪の都市構想などについてアピールした。

 今回の補選は、共産市議の国政転戦を受けた選挙だけに、共産にとっては議席死守が重要課題。国政を目指す前市議とともに第一声に臨んだ山田みのり氏(33)はJR野田駅近くで「『ワン大阪』というフレーズで福島区の解体をたくらむ勢力、自治体と市民をかけ離す改革には断固反対を貫く」と橋下新党との対決姿勢を表明した。陣営幹部は「『大阪都』など制度上の話ではなく、暮らしに密着した草の根の戦いで保守層にも支持を広げたい」と話した。

 一方、民主の国本政雄氏(33)の陣営は選挙事務所前で出陣式。国本氏は「福島区で生活し、皆さんと顔を合わせ、声を聞いてきた。今まで聞いた思いを政治に反映させ、生活にはね返したい。命が尽きるまで走り抜ける」と訴えた。

 前回市議選では次点に泣いた国本氏はこまめな地域回りなどで支持を固めてきた。出陣式後、支援者に見送られて選挙カーで出発。区内を丁寧に回り、立候補のあいさつを行っていた。

 大阪維新の会から立候補した広田和美氏(46)の陣営。結成から間もないため強固な地盤はないが、代表の橋下知事をはじめ、党メンバーが支援する。

 選挙事務所近くの公園で行われた出陣式に参加した橋下知事は「相手陣営は福島を壊すと攻撃してくるが、我々が壊そうとしているのは大阪市役所だ」と声を張り上げた。

 広田氏は財政問題に言及し「東京と比較し1人あたり3倍の借金を背負う大阪を立て直さないといけない」と訴えた。

 一方、自民の太田晶也氏(38)は選挙事務所近くの神社境内で第一声。「福島区、大阪市を守っていくための戦い。市は改革すべきだが、守らなければいけないものもある」と大阪都構想を批判した上で、「地元の子供も市が無くなると心配している。子供たちに不安を与える政治をやってはいけない」と強調した。

 出陣式には大阪市議や府議のほか、国会議員らも参加。マイクを握った陣営幹部は「この選挙は知事の暴挙との戦いだ」と述べた。

 一方、諸派の上畑俊治氏(53)も選挙事務所前で第一声。市職員の厚遇問題の改善などを訴えた。

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by onzicllnpe | 2010-05-17 15:26
 ■活躍話に驚きと誇り

 あの子の生きた証しを残したい−。JR福知山線脱線事故で、長女の智子さん=当時(39)=を失った兵庫県丹波市の上田直子さん(71)が、事故から5年となるのを機に、智子さんが刻んだ人生を一冊の本に仕立てようと執筆を始めた。事故以来、悲しみは増すばかりだったが、智子さんの友人らと交流を重ねるうちに、今まで知らなかった娘の一面をたくさん知ることもできた。「書いても書いても思い出があふれてくる。智ちゃんの人生をすべて記してあげたい」。そんな思いを胸に書き続ける。

 今月17日、兵庫県三田市。小学校や幼稚園で児童らに絵本を読み聞かせる活動をしている「しずくの会」のメンバーが集まり、智子さんをしのぶ会を開いた。そこには上田さんと夫の秀夫さん(72)の姿もあった。メンバーらは、智子さんが好きだった絵本を上田さん夫婦に読んで聞かせ、智子さんの思い出を語り合った。

 5年前のあの日、智子さんは三田市の自宅から大阪へ行く途中で事故に遭った。しずくの会の一員として活動に熱中している最中だった。

 上田さんが、しずくの会を知ったのは事故後のこと。メンバーに誘われて読み聞かせを見学したり、毎年4月に開かれる智子さんをしのぶ会に招かれたりするようになった。

 「智子さんが絵本を読むと、不思議なくらい子供たちが引きつけられていましたよ」。自分の知らない娘の活躍を聞くたびに、うれしくなった。

 「いなくなってしまってから知ったことも多かった」と上田さんは話す。智子さんの保育士時代の同僚からは、父親を突然の事故で失った園児に、ずっと寄り添っていたと聞いた。障害のある小学校時代の友人の母親からは、「うちの子が本当に智子さんによくしてもらって」と感謝された。

 どれも上田さんの知らなかった智子さんの顔。「私の見えないところで、いろんな人のために頑張っていたんだな」。驚くとともに娘を誇りに思った。

 事故後、天国の智子さんに語りかけるように日記を付け始めた。今では、事故以前の思い出と新たに知った智子さんのことで日記は埋め尽くされ、膨れ上がった智子さんへの思いをまとめたいと考えるようになったという。

 「あの子の生い立ちからすべてを書き切ろうと思ったら、時間がいくらあっても足りそうにないです」。上田さんはこう言って笑うが、「今、智ちゃんにしてあげられるのはそれくらいだから」と言い、必ずやり遂げたいと思っている。

 書き上げた文章は製本し、智子さんを知る人たちに読んでもらうつもりだ。

 「あの子の一生をいつまでも忘れないでほしいから」

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by onzicllnpe | 2010-05-01 02:10
 18日午後7時50分ごろ、三重県鈴鹿市算所の県警鈴鹿署平田交番に外国人ふうの男性が訪れ「隣の部屋でけんかがあり、通路で人が倒れている」と届けた。署員が男性とともに同市道伯4の短期賃貸マンションに行くと、3階の通路で外国人ふうの男性が腹などを刺されて倒れており、搬送された病院で死亡が確認された。同署は殺人事件として調べている。

 同署によると、死亡した男性は40〜50歳くらいで、左脇腹や左胸などを刺されていたという。凶器は発見されていない。交番を訪れた男性によると、同日午後7時40分ごろに刺されたらしい。

 現場は近鉄鈴鹿線平田町駅の南東約1.5キロの住宅街。近くに自動車関連工場がある。09年8月まで現場のマンションに住んでいたという男性(41)は「住人の8割くらいは外国人だった」と話した。【大野友嘉子、谷口拓未、大原隆】

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by onzicllnpe | 2010-04-24 02:44
 千葉県富津市の商工会に加盟する飲食店19店舗が、地元の海の幸を楽しめる各店オリジナルの「ふっつ海堡(かいほ)丼」を発案。商品化されて各店のメニューを飾っている。同市ではこれまでに煮穴子を盛り付けた「はかりめ丼」が売り出され、地元の名物料理として定着している。同様の「ご当地グルメ」を目指す「海堡丼」。広くPRしようと、6月末までイベントを行っている。

 海堡とは、軍事目的で造られた人工島のことだ。富津市沖にも、首都防衛のために明治23年に完成した「第一海堡」と、大正3年に完成した「第二海堡」が残されている。海堡の周りは潮の干満が大きく、いくつもの魚礁が形成された好漁場で、多様な魚介類をとることができる。

 同商工会の関係者は「海堡の建設には、富津の多くの先人がかかわった。われわれは、現在もそこでとれる貝や穴子など、あらゆる魚介類の恩恵にあずかっている」と、丼に「海堡」の名を付けた理由を説明している。

 「海堡丼」は、同商工会サービス業部会のメンバーが企画し19店舗が応じて商品化された。一杯の丼に富津の海の恵みが凝縮しているのは共通だが、お刺し身をのせた丼だけでなく、油で揚げた天丼風や、卵でとじた親子丼風などがあり各店舗が個性を競い合っている。値段は1千円〜2500円だ。

 同市では、9〜12月は「はかりめ丼」、1〜3月には特産の「ノリ」のキャンペーンを実施。4月から6月30日までを「ふっつ海堡丼まつり」と銘打ちキャンペーンを展開している。

 期間中は「海堡丼」を注文すると、小鉢やミニデザートなどが付くサービスもある。実施店舗などの問い合わせは、富津市商工会(電)0439・87・7071。

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by onzicllnpe | 2010-04-21 11:46
 10日午前2時55分頃、大阪市西成区花園北1のビデオ店「イレブン西成店」に、男が押し入り、男性アルバイト店員(32)に刃物を見せて「金を出せ」と脅し、店員が開けたレジから金を奪った。

 さらに、男は「金庫もあるやろ」と、店員にカウンター内の手提げ金庫を開けさせ、金をわしづかみにして逃走した。被害は計約14万円という。当時、店内には男性客が1人いたが、けが人はなかった。

 西成署は強盗容疑で捜査。発表では、男は30〜40歳、約1メートル80で、黒い上着に灰色のニット帽をかぶり、黒いサングラスをかけていた。同署は、男が客の少ない午前3時の閉店間際を狙ったとみている。

 同店では2月24日にも、閉店間際に男が押し入った強盗事件が発生しており、同署は関連を調べている。

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by onzicllnpe | 2010-04-17 08:32
 8日午後10時ごろ、JR京都駅(京都市下京区)の東海道新幹線の上り線路内に男が侵入しているのをJR東海の職員が防犯カメラで確認し、七条署に通報。この影響で、同駅周辺の新幹線が約30分間にわたって運転を見合わせた。

 同署によると、カメラには、線路上を1・7キロ歩き、フェンスを乗り越えて線路外に逃げる姿が写っていたという。同署は、男が無賃乗車した可能性があるとみて、新幹線特例法違反の疑いで行方を追っている。

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by onzicllnpe | 2010-04-12 14:20
【第103回】遠藤久夫さん(中央社会保険医療協議会会長、学習院大経済学部教授)

 再診料や外来管理加算、DPCの調整係数の廃止などが課題となった2010年度診療報酬改定。医療費の配分を決める中央社会保険医療協議会(中医協)の審議は、政権交代と委員交代の影響で、昨年9月から10月にかけて1か月間、空転した。審議の取りまとめに当たった遠藤久夫会長は、今年4月の改定実施を危ぶんだ時期もあったという。(兼松昭夫)

■改定実施のずれ込みに病院団体が強い懸念

―10年度診療報酬改定に向けた中医協の審議を振り返っていかがでしょうか。
 DPCの調整係数の廃止とそれに代わる新しい機能評価係数の創設、ドラッグラグの解消を目指した薬価制度改革といった大きな制度改革が予定されていましたし、外来管理加算のいわゆる「5分要件」の見直しの問題も議論が白熱すると予想され、審議時間は十分にはないと、当初から思っていました。そのため、審議のスタートを前倒ししたいと考えていましたが、結果的にそれほど早まりませんでした。こうした中で政権交代があり、本来なら集中審議が始まるはずの昨年秋に1か月間、空転しました。これらの要因が重なって、審議時間が十分確保できなかったというのが率直な気持ちです。
 さらに、委員の交代もありました。これによって、再開後は診療報酬に限らず、医療の本質的な議論が交わされるようになりました。特に診療側は当初、各委員の発言を必ずしも調整しておらず、これが活発な「本音トーク」につながったと思います。そもそも医療の課題は、提供体制、保険制度が重層的に組み合わさって生じています。診療報酬というほんの一部分を議論しても、全体を議論しないと方向性が定まらないのは当然の話なので、診療報酬に直接関係しないご意見も途中で制止しないようにしたつもりです。しかし、これらの意見を取りまとめるには時間がかかります。個人的にはエキサイティングであったと同時に、非常にストレスも感じました。
 11月以降は週2日、場合によっては一日5時間を費やすなど、審議時間の確保に努めましたが、それでも十分ではなかったと思います。2月12日に取りまとめた答申書の付帯意見には15項目が盛り込まれました。これらはいわば12年度以降の申し送り事項です。逆に言えば、これだけの課題を先送りせざるを得なかったわけで、このことも審議時間が不十分だったことの表れの一つだと思います。

―昨年10月には、本来なら集中審議を始める時期にちょうど1か月間、議論が中断しましたが、この時はどのような心境でしたか。
 話し合わなければならない大きな問題がたくさんあるので、わたしは当初から、拙速な議論は慎むべきだと認識していました。一方で、中医協がいつ再開されるのかが分からなかったので、場合によっては診療報酬改定の実施時期を「4月より後にずらさざるを得ないかな」と考えた時期もありました。しかし、病院団体が改定時期のずれ込みに強い懸念を示したため、「4月実施を目指すほかない」と腹をくくりました。

―昨年12月にまとまった診療報酬改定の基本方針では、「救急、産科、小児、外科等の医療の再建」と「病院勤務医の負担軽減」が重点課題に位置付けられました。
 これらは社会保障審議会(社保審)の医療部会、医療保険部会で決定されたもので、基本的には08年度に実施された前回の報酬改定と大きく変わらない印象です。今回のポイントを挙げるなら、「外科対策」が加わった点です。外科は、厳しい勤務状況や訴訟の問題などで、救急や産科と似たような環境にあるわけですが、救急、産科、小児科ほど目立った「不足問題」が報じられることはなかった。しかし、外科の勤務医は減少しているし、若い医師の外科離れも急速に進んでいるといわれます。対策が取られるのが遅過ぎたとも言えます。中医協は今回、「外科系学会社会保険委員会連合」(外保連)の「手術報酬に関する試案」の中で最も難易度が高いと評価されている手術群を5割、その次の難易度の手術群を3割引き上げることに決めました。このような大幅な手術料のアップは、これまでに例がありません。手術料の引き上げで外科医不足問題が解消するなどとは思っていませんが、少しでも役に立つことを期待しています。
 
―2年後の12年度報酬改定では、手術料の算定にこの外保連試案を全面採用することが決まりました。
 薬価や材料価格の算定ルールは細か過ぎるほどに厳格ですが、一方で、医療技術に関しては明確な算定ルールは存在しません。医療技術の経済評価は技術的にも難しい面が多く、そう簡単に統一した算定ルールを作れないのが実態です。しかしわたしは、外保連試案はこれまで試行錯誤を重ねた結果、一定の説得力を持った価格表に仕上がっていると認識していました。手術料改定の際に、事務局(厚生労働省保険局医療課)が各手術間の料金の相対比として部分的に用いてきた実績もあります。わたしは、手術の相対価格の決定に試案を全面活用すれば、手術に限定されるとはいえ、ルールに基づく診療報酬の改定に一歩近づけるのではないかと思っていました。

 とはいえ、中医協で外保連試案を突然持ち出すのも唐突なので、タイミングを計っていたのです。そんな折、診療側に、米国のメディケアの「ドクターズフィー」の導入を主張された委員がいました。ドクターズフィーは、▽報酬が医師に直接支払われる▽医療行為ごとの報酬の相対的な重み付けを医師が行う-という点が特徴です。この委員は、このうち報酬が医師に直接支払われる点を強調されたかったのだと思いますが、わたしはむしろ医療行為間の相対的な重み付けを医師が行う点に注目し、わが国の手術料の相対的な価格付けに外保連試案を使えるのではないかと提案しました。手術料全体の費用は中医協が決定し、それぞれの手術料への配分は学会側が決めるというスキームです。ただ、精度が高まっているとはいえ、各学会で評価の仕方が異なるなど、試案には解消すべき点もあるので、12年度の改定までに整理ができれば全面採用することになりました。これを機会に、診療報酬改定に際して学会側にも影響力を発揮してほしいと考えています。
―10年度診療報酬改定では、手術料の一部が明確なルールに従って決められた。
 そういうことです。今回の手術料引き上げは、外保連試案における評価、つまり学会側が行った手術の難易度評価と点数の引き上げ率とを対応させました。これまでの点数改定は、必ずしも明確な方針やルールに従って行われてきたわけではありませんが、今回の手術料の引き上げはルールが明確でした。透明性の向上という点では、一石を投じたのではないでしょうか。

■セクター別の医療費配分も検討課題

―10年度診療報酬改定では、全体の改定率を10年ぶりに引き上げることになりました。
 民主党の政権公約もあり、医療関係者はもう少し高い改定率を期待されたのではないかと思います。わたし自身は、「ある程度は高くなるのかな」との思いの一方で、経済環境が厳しいため、「それほど高い改定率は期待できないかな」という気持ちもありました。医療経済学者の一人として、わたしも日本の現在の医療費は少な過ぎると訴えてきました。しかし、中医協では支払側が、「経済状況が非常に厳しい中、診療報酬を引き上げる環境にはない」と主張していますし、会長としてこの改定率が適切かどうかはコメントできません。

―今回は、初めて入院・外来ごとに改定率が示されました。
 このことは、中医協の議論の在り方に関する非常に重要な問題提起だと理解しています。
 入院・外来ごとに改定率が示されたことに対し、診療側は「中医協の権限が縮小された」と反発しました。これに対してわたしは、五十パーセントは同意しますが、五十パーセントは同意できません。
 中医協は医療費の配分を議論する場ですから、入院と外来のような部門(セクター)別の医療費の配分についても当然、議論していいはずです。中医協の権能としても可能です。ですから、「その部分を外部に決められてしまった」という主張はその通りだと思います。けれども、こうしたセクター別の配分を中医協でこれまで議論してきたかというと、基本的にしてこなかった。例えば前回の08年度診療報酬改定では、外来の改定財源のうち400億円の入院への移譲をめぐって議論しました。このように、非常に重要な問題が絡むケースには例外がありますが、セクター別の配分は明確には議論してこなかった。ですから、「議論してこなかったことを外部に決められても仕方がない」という主張も成り立ちます。
 改定率の決定は内閣が予算編成のプロセスで行うこととされ、中医協は直接関与できないことになっています。少なくとも今回については、改定率を決める一連のプロセスの中で、ある種の条件として決まったことなので、広い意味では内閣が行う改定率の決定に包含されると、わたしは理解しました。

―今後は中医協でもセクター別の医療費配分を議論するのでしょうか。
 今後も政治主導でこのような方式が続くのかどうかは分かりませんが、「中医協でこそ、セクター別の配分の議論を行うべきだ」という意見が多いようなら、前向きに検討したいと思います。セクターとは入院、外来だけでなく、救急、産科など何でもよいのですが、要するに個別点数の議論に入る前に大きな区分の大まかな配分を議論するということです。
 こうした議論をするかどうかは委員のご意見に委ねますが、もし行われれば、医療費配分の議論に弾みを付けると思います。中医協は医療費の配分を決める審議会ですが、実際には具体的な個別点数を議論することは、今回の再診料など重要案件を除けばほとんどありません。中医協が個別点数について審議するのは、引き上げか引き下げかといった方向性と、算定要件や施設要件などに関することがほとんどです。具体的な点数は、事務局が計算したものが答申書の中で初めて示されます。このような慣行になっているのは、改定項目が膨大で、内容が専門的であることに加え、改定率が決まる年末から翌年2月半ばの答申までの1か月半の間に作業しなくてはならないからです。しかも、改定後の個別点数は、積算すると改定財源額に一致するように設定されていなければなりませんし、学会や関係団体からの意見聴取も必要です。従って、個別点数をすべて中医協で議論するのは難しいのが現状です。診療側から提案があったように、改定時期を4月から後ろにずらせば、点数が付いた後でも調整は可能です。その意味では、こうしたことも検討に値すると思います。ただ、スキームの大きな変更を伴うので、その影響も考慮しなければなりません。

 その点、セクター別の医療費配分をまず決め、その制約下でこれまでのように個別点数を決めていくやり方を取れば、改定時期を変更せずに、中医協の医療費配分機能をより明確にできるのではないかと思います。セクター別の議論でも、具体的な金額の議論は年末に改定率が決まってからでないとできませんが、「増額分の何パーセントを救急に」という比率の議論なら、改定率が決まっていなくても、社保審が基本方針を出せばすぐに始められます。基本方針の決定が早まれば、十分な審議時間も確保できるはずです。もちろん、現実にはいろいろな問題が出てくると思いますが、検討に値するとは思います。

―前回に続いて、今回の診療報酬改定でも診療所の再診料が焦点になりました。
 支払側は、分かりやすさの観点から病院と診療所の再診料を統一すべきだと主張しました。これに対して診療側は、診療所を71点に維持することを前提に統一に合意しました。初診料は病院と診療所で270点に既に統一されていますし、今回、再診料を統一することには合理性があるとわたしは考えました。
 問題は統一後の点数です。支払側は66点での統一を提案しましたが、再診料は診療所にとって収入のベースになる重要な点数です。あまり大幅に下げると、経営に悪影響が及んだり、モチベーションの低下につながったりする恐れがあります。こうした点に配慮して、公益側としては予算制約ぎりぎりのところで、69点での統一を提案しました。

―診療側からは、「他の領域への医療費配分を決めてから再診料を話し合うのはおかしい」という意見も出ました。
 新たに評価することになった項目の点数をある程度抑えれば、再診料にも財源を回せるはずだという趣旨だと理解しています。お気持ちは分かりますが、新たに評価する分野は社保審が示した重点課題と重なる部分が大きいので、優先的に議論するのは合理性があると思います。また、最初に再診料を議論した際、支払側から「財源がどれだけあるのかが分からないと、具体的な点数を議論できない」といった趣旨の指摘がありました。もっともなご指摘なので、わたしは他の項目への医療費配分を固めてから、改めて再診料を議論することを提案し、その時には反対意見が出ませんでした。そのため、それ以降はこうした流れで議論を進めたわけで、進行上の問題はなかったと考えています。

■12年度同時改定の審議、スタート前倒しへ

―付帯意見に盛り込まれた項目の検討は、新年度早々からスタートする必要があるとお考えでしょうか。
 もちろんです。付帯意見の中に「できるだけ早急に取り組みを開始する」という一文も入れてあります。たくさんあるので、どこまでできるかは分かりませんが、いずれにしろ議論には早く着手したいと思います。
 10年度診療報酬改定に向けた今回の議論では検討課題が多かったため、1か月間の空転がなかったとしても、審議時間は必ずしも十分とは言えませんでした。重要で本質的な課題は、報酬改定のない年に重点的に議論しておくべきでしょう。特に再診料、外来管理加算などの基本診療料や、地域特性を踏まえた診療報酬の在り方などの基本的な部分は、できるだけ早い時期に議論を始めるべきだと考えています。

―民主党が昨年の衆院選の際に公表した「政策集インデックス2009」では、中医協について「構成・運営等の改革」を行うとしています。
 委員の交代もありましたし、医科、歯科や入院、外来で異なる改定率が設定されるなど、「改革」は既に実施されていると思いますが、今後、どのように展開するのかは政権がお考えになることで、わたしには分かりません。
 現役の中医協委員としては、できる範囲で改善していくことしかないと思います。例えば今回は、エビデンスを示しながら透明性のある議論が行われるよう心掛けました。先程もお話したように、手術料について、学会による難易度の評価と点数の引き上げ率とを対応させ、引き上げの方針を明確にしました。引き上げのルールを明らかにするということは、これまであまりなかったのではないでしょうか。現在の課題を解消するという前提条件付きですが、外保連試案を手術料の相対評価に全面採用することになったのも、透明化につながる要素だと思います。
 限られた領域ではありますが、今回の改定結果がどのように影響したのか、金額をセクター単位で開示することになっています。これも初めての試みです。

 今回はまた、中医協による学会側からのヒアリングも行いました。医師会や病院団体、看護協会などの医療団体は従来から中医協の議論に参加してきましたが、学会に関しては従来、各学会が提出した提案書を基に事務局が改定案を作り、中医協に示す形でした。これはこれでとても大切なプロセスですが、一方で、学会からどのような要望が上がっているのかを、実際に点数を議論するわたしたちが十分に把握していませんでした。少なくとも、わたしたちもそれらを理解しておく必要があるし、診療科固有の課題はそれぞれの学会からお聞きするのが一番です。学会関係者からのヒアリングには、こうした点を一層透明化する狙いがありました。今回は、重点課題に挙げられた救急、小児、産科、外科系の学会からヒアリングしました。ほかにも聞きたい分野が幾つかありましたが、時間がなくてできませんでした。

 議論を進める上でのエビデンスの重視も進んでいます。外来管理加算の「5分要件」の撤廃は、中医協の診療報酬改定結果検証部会による調査結果が大きく影響したと考えられます。地域特性に考慮して診療報酬上の要件を緩和すべきかどうかの議論では、こうした仕組みを要望する意見が多かったのに結論が出なかった。どのような地域が要件緩和に値するのかを示すエビデンスを、説得力のある形で示せなかったためです。このように、中医協の議論の多くはエビデンスがないと進まなくなっています。エビデンスを重視するには、統計などさまざまな材料を準備しなくてはなりません。今回は、事務局の若手が大車輪で動いてくれました。短期間に準備していただいた資料が、エビデンスベースでの議論に本当に役立ちました。感謝しています。
 透明性の向上とエビデンス重視については、今後もさらに推進していくべきでしょう。


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by onzicllnpe | 2010-04-07 02:30